二日目も微軽風で3レースをきっちりと実施。
photo by BULKHEAD Magazine
風向風速とも初日とほぼ同じでしたが、レースの時間が1時間ほど早かったので潮の影響が少し違います。
潮汐表では小潮で流れは遅いはずなのですが、初日は結構な速さで流れていました。全然小潮じゃない^^;
早い時間帯はまだ潮は遅く、午後に向けてどんどんと速くなる傾向。軽風で艇速は遅く、潮による影響は馬鹿になりません。
photo by EOW実行委員会
上マークは常に大混戦になり、下げ潮の影響で上マークに入れない艇もちらほら。
さて、先に結果ですが我々の二日目の成績は1−(3)−1で、総合優勝となりました!
photo by BULKHEAD Magazine
金メダルゲット!ありがとうございますm(_ _)m
第5レースの3位をカットして、初日から通算してまさかのオールトップ(≧∀≦)
また記念にスクショw
自画自賛が過ぎてスミマセン^^;ちゃんと嬉しくてつい…
2位には笹井/伊藤(AISIN⭐︎Stars)が昨日の5位(4-(27)-6)からジャンプアップ。強風でぶっちぎりに速い重量級のチームなのに、この軽風シリーズでもきっちり順位をまとめてくるとは、、、
いわゆるオールラウンダーで無敵。
photo by BULKHEAD Magazine
普段は中部水域で活動する実業団の強豪チームで、船を江ノ島に保管して遠征に来ています。(レース艇は蒲郡に厳重保管(°▽°))
今回の発見はデジタルテンションゲージの数値が20%ほど狂っていたらしいこと^^;
サイドステーのテンションがかなりの高めだったらしく、要はピンを詰めた状態で頑張って走っていたらしい。。。
よって、これまではただの修行だったようで二日目に修正した途端にボートスピード爆上がりで3−2−5位でまとめてきました。
3位は白石/行則組(ノースセール)が初日8位からこちらもジャンプアップ。初日はオールシングルでまとめていましたが、カットレースが入ったためトップテンが僅差で8位に。しかしヨットレースの王道は最後までカットレースを作らないでチャンスを作ること。二日目を(12-1-7)で12位をカットしきっちり3位入賞。
photo by 関東スナイプ協会(写真は先回の江ノ島スナイプより)
このチームも強風も速いのでオールラウンドにして無敵。クルーの行則選手はモス級の全日本チャンピオンで日本を代表するモスライダーになりましたが、実は東北大ヨット部時代はスナイパーでした。
4位にも高曽/中野組(MYRC)の社会人チーム。
5位に昨日まで2位だった服部/畠山組(早稲田)が入り、同点6位も桔川/中尾組の早稲田チーム。学生はこの2艇だけがトップテン入り。10位まで社会人チームの壁です^^;
そして11位に入ったのが西尾/三上組(東京大)で、なんと学生チーム3番手。シングルを連発して強豪学連チームを抑えての3番手は大健闘。レースで近くを走ることも多く、非凡な才能を見せていました。
レセプションでも唯一、私に(勇気を振り絞って?)質問をしてきたのがこの西尾選手でしたね^^;
成績上位)
1位 高木/渡辺組(BEST WIND/あおぞら銀行)1−1−1−1−(3)−1 5p
2位 笹井/伊藤(AISIN⭐︎Stars) 4-(27)-6−3−2−5 20p
3位 白石/行則組(ノースセール) 7−5−8-(12)-1−7 28p
4位 高曽/中野組(MYRC) 14−7−3−2−(20)−10 36p
5位 服部/畠山組(早稲田) 2−2−5-(RET)−4−28 41p
6位 桔川/中尾組(早稲田)(22)−3−4−11−7−16 41p
さて、江ノ島オリンピックウィークと併催となった今大会。
大会の感想は、、、(−_−;)ええっと…
オリンピッククラスが主の大会なのでしょうけど、、、
はいはい、ハナからおまけです♪yoasobi
五輪クラスの引き立て役Sです♪yoasobi
スナイプクラスの立ち位置は…(~_~;)まあ仕方ないのでしょうが何というか…
470級は44艇の参加で社会人6チーム。スナイプは76艇の参加で社会人19チーム。OPは66艇の参加。なぜOPとスナイプには数が集まるの?を考え対策していかないとオリンピック種目の行末は厳しいですね。470なんて国体種目で、潜在的な選手数はもっと多いはず。
久しぶりのレセプションは良かったです^^
(和太鼓は話し声が全然聞こえなくなるので正直チョット微妙です※せっかく準備したのにゴメンナサイ只の感想です)
スナイプの関東レースだと6位以内は入賞で、飛び賞もあってどんな成績にいても結構な豪華賞品をゲットできる可能性もあるし。(表彰式に出ないと受け取れません^^;)
女子選手の表彰もあったりしてどの順位を走っていても頑張れます。
レースも楽しいですが、レース以外の楽しさを作らないと参加してもおもんない。
学生選手が普段と違う経験の場にしてあげられれば良いですよね。社会人側は全然ウェルカムです。質問なんかタダなのだからじゃんじゃんすれば良いのに。ノブレス・オブリージュですよ。
全日本のようなステイタスの高い大会になる程、杓子定規で魅力に欠ける気がします。全日本というタイトルに選手が集まるだけで、楽しいのかどうかといえば微妙。
さてスナイプのレースに関しては今回も非常に良かったと思います。
マーク設定も上手でコースが絶妙。アップウィンドが向かい潮なので距離が近いように見えて時間的には丁度だったり。
風下のゲートマークの正確さは秀逸でした。毎回どちらを回るか悩ませるほどイーブン。
あの微軽風でサクッと6レースを回すのは難易度高いんです。選手にとってはレース経験という大事な機会をきっちり享受できて良かったはずです。
運営の皆さんお疲れ様でした。ありがとうございましたm(_ _)m
そして今回の我々の成績ですが、、、出来過ぎました^^;
風速9kt前後の風域でのアップウィンドのVMGがとっても良く、有利にレースを展開可能で「軽風無双」w
他艇よりもより高く上ることが出来るのが武器です。スピードが速いというより上る。とにかく角度を稼ぐ。同じスピードで走りますが、より角度があるので並んで走って負けることがありません(オンデッキ限定)
軽風はドライブモードがあまり効かないんです。バウダウンしてもそこまでBSは上がらない。それが強風との違い。
だったら軽風はピンチモードを極めた方が合理的。
また少し速くなったみたい photo by BULKHEAD Magazine
海風はシフトが小さく時間も長いので、パタパタとタックするような陸風のコースと大きく異なります。
我々のミッションはスタートは空いているところから第一線でちゃんと出て、第1上マークまでは艇団を見ながら対艇でコースを引きシングル回航を目指します。博打は打たない。中央で勝負しながら最後に伸びている側に寄せる。
よって、コースは全然参考になりません。ほとんど対風で勝負していないので。
コースが分からない時(伸ばすべき方向が分からない)はスタートが重要になってくるので必ず有利サイドから出るためにラインの傾きはきっちり測ります。
今回は第5レース以外、ラインの傾きはほぼイーブン。イーブン時の優先順位は第一線から出ること。左右どちらが伸びるのかは分からないので決め打ちはせず、スタートで飛び出した艇団を見ながら勝負する。不利な時は耐えて、有利な時に寄せる。
コースを決め打ちすると、必ず失敗するレース(カットレース)を作ることになります。
安定した順位で最後まで上位争いをするのが王道です。
レースごとの細かい解説はまた次回^^
今回は何故、軽風のアップウィンドでのVMGが良いのか?を少し考えてみます。
まずは体重。合計119kgほどです。一般的にスナイプの適正体重は135kg程度で、ほとんどのチームより10~15kgくらい軽いはず。これは大きなアドバンテージです。
でもですね、それは帆走重量+乗員重量に対して約3%ほどしかないんです。この3%がどれほど艇速に影響するかは分かりません。時間や艇速にそのまま置き換えることはナンセンスかと…
私テキには実は体重の影響はそこまで無いかなと考えています。やってみなきゃ分からないんですがね^^;
で、私テキに角度を稼いで走れる理由はクルーワークの影響がかなり大きいと感じています。
VMGの幅の中で上るというのは、止まるのと紙一重。上りすぎは失速に直結しますので。
その失速しないギリギリ上るというピンポイントでいかに長く走り続けるかが、軽風で角度を稼ぐポイントと思うんです。
そのためにヒールトリムとジブトリムには非常に繊細なことを要求しています。
初めて乗る学生さんは要求の細かさに戸惑うばかり。
「ジブ5mm引いて」なんて言われましても^^;笑
「チョイ起こして」でヒールを起こしてみたら刹那「起こしすぎっ!」みたいな笑
クルーの渡辺選手とはチーム組んで3年目ですが、最初の頃は3秒に一回「違う違うそうじゃな~い♪」と私に言われていたそうです笑そんなに??^^;
今では全然。黙っていても「よきヘルムのポイント」で走らせてくれます。クルーのデッキは摩擦熱でうっすらと焦げています(イメージ)
ジブタックのトリムもミリでお願いしています。何せセールへのアタックアングル(風の侵入角度)を司る超重要なコントロールライン。ジブのラフの横シワの感覚が上り角度を決めていると言っても過言ではありません。メインのラフのシワも同様です。
photo by 関東スナイプ協会
大学からヨットを始めても、ここまで上達してすごい面々と競えるのがスナイプの魅力ですね( ̄+ー ̄)
マテリアル)
ボート:tsujido racing special TRC-1初期型
マスト:SELDEN
セール:ノースセール SW4 R3-LM
チューニング)
レーキ:6550mm
サイドテンション:90kg強(バネ式19~20)
プリベンド:54mm
ステップ:フォアを引いてmax65mmのプリンベンドができる限界まで前
チェーンプレート:ルールmax前
ラフワイヤー:ルールmax前
スプレッターレングス:470mm
ディフレクション(スプレッター両端の距離):690mm
船もセールもチューニングも全てスタンダードでスペシャルなことは一つもありません。(boatは学連仕様ではなくspecialです。来年8月で3年目を迎えるので学連の大会でも使用出来るようになります。先着順です笑)
皆さんが使用しているものとなんら変わらないと思います。重量もモーメントも学連艇と同じ。ハルがめっちゃ硬いくらいで軽風下での恩恵はありません。
私のポリシーは昔から「道具は使いこなせてなんぼ」です。
一説によるとSW4はリーチがフックし易い(閉じやすい)らしい。ので、私的には上り角度を得るにはトリムしやすい。メインの引きすぎは閉じますが、引いても閉じないよりはマシ。
メインシートを引く感覚(重さ)でリーチをコントロールしているので、セールを見る回数は少ない方だと思います。
その代わりメインシートを引きっぱなしにすることも無い。
カムクリートを多用して、常にリーチのテンションは確認しているので開きすぎや閉じすぎが少ないはず。でセールを見なくてよい分をヘルムに回して集中出来るので角度を稼いで走らせやすいという仕組み。
日本のスナイプ界を席巻しているtsujido racing社のTRC-1は本当に良く走ります。
エッジが効いていて、シャープで敏感なので私のような走らせ方にはピッタリ。グルーブにハメると恐ろしい角度で上ります笑
今回は成績が良いので^^;ハッハッハーなんでも偉そうに言えますネ笑
最後に、いつも応援してくれる嫁さんには本当に感謝しかありません。私がこんなにも自由に仕事ができるのもレース活動ができるのも嫁さんのおかげm(_ _)m
今週末は佐賀へ。里帰り中の嫁さんに3週間ぶりに会えます^^ワクワク